2009年2月アーカイブ

エッセイスト、です。

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平野さんから先日撮っていただいた写真が届きました。  
「用途」にあわせて数パターン。 
どれも「さすが平野さん」な写真でした。
マレットを持ったヴァージョンを撮った後、余分のフィルムで「エッセイスト用」も撮影。 
それにしても、これ、エッセイスト過ぎませんか(笑)
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(c)Hirano Ai

2台めシロフォン(=木琴)との出会い

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2007年夏、マリンバ奏者の佐藤梨栄さんから日本木琴協会阪神支部創立50周年記念コンサートのご案内が届きました。ゲストは、ネイ・ロサウロと佐々木達夫。

佐々木達夫さんは主に海外で活動されているので、国内では知る人ぞ知る、という存在。でも、私にとっては「特別なプレーヤー」でした。実は、中学生の時、マリンバのレッスンで先生から佐々木達夫さん演奏のテープを聴かせていただいたことがあり、その音色にいたく感激、カセットテープをダビングしてもらい、長く大切に聴いていたのでした。その時は、よくわからなかったのですが、その音色こそが、マリンバではなく、ヴィンテージ・シロフォンだったというわけです。


コンサートでは、初めての佐々木さんの生演奏を感慨深く聴き、終演後には少しお話しすることができました。

演奏会の後しばらく佐々木さんのシロフォンは、神戸の佐藤さんのお宅に保管されているとのこと。佐藤さんから「佐々木さんの了解も得ているので、是非」とお誘いいただき、お邪魔することに。

その楽器は、平岡モデルと同じ機種「DEAGAN ARTISTS SPECIAL XYLOPHONE No.264」 。フレームは違うものの、鍵盤の「顔」は同じ。まるで「兄弟」を見るようでした。


その後、佐々木さんとも直接メールでのやりとりをするようになりました。佐々木さん曰く、これまで、シロフォンを弾く人に出会えず、ご自身が弾かれなくなったらシロフォンの時代も終わるのかなと、寂しい思いをしていたとのこと。実際シロフォンに興味を持たれた方がおられたものの、マリンバとは演奏法が異なるため相当弾きこまないと音楽作りが難しい等の理由で諦められてしまったそうです。

なので、私がシロフォンの音に魅力を感じて弾いていることを喜んでくださいました。

実は、私は弾き込むも何も、マリンバよりシロフォンの方が身体にしっくりくる、と思ったくらいで...


そんなやりとりの中で、「オーケストラをリタイアし演奏活動も少しずつ減らしていっているので...」という話しがあり、そして昨年暮「シロフォンを手放そうと思っている。あなたに弾いてもらえるなら...」とのご連絡をいただいたのです。

平岡シロフォンの鍵盤は、音色は申し分ないものの、コンサート活動で酷使した上、調律(鍵盤を削る)が繰り返されていたため、寿命を考えると不安もありました。自分がシロフォニストとしても活動していく上で、もう一台同種の楽器があればと思いながらも、「60年代頃改良の1930年代製」との条件をクリアする楽器が手に入るはずなどない、と決めてかかっていました。あきらめて新型のシロフォンを購入しようか、鍵盤を誂えようか、と検討していたタイミングだったので、こんなにうれしい話しはありません。

一度佐藤さんのお宅で見ている楽器なので、改めて試奏するまでもなく、ゆずっていただくことに決めました。


長い説明になりましたが、そんな楽器が、ようやくうちに届いたというわけです。

佐々木さんのシロフォンは調律されていない分、若干音程の狂いはあるものの、ニスもはがれず鍵盤の状態がよい。

なので、手入れのしようによっては、これからまだまだ楽器として進化を遂げる可能性を秘めているように思います。

佐々木さんは、楽器を調律することは、自身の身を削られるようでできなかったとおっしゃっています。私も一台目である平岡さんの楽器に対しては同様の思いです。でも、この2台目については、良い意味での距離があるので、それがかえってよい方向に向けられるような予感がしています。長男と二男で子育てが違う、という感じかな。それぞれの楽器にそれぞれへの愛情を注ぎ、つきあっていきたいと思っています。

みなさんにこの楽器の音色を聴いていただくのは少し先になると思いますが、楽しみに待っていてください。


佐々木さんについては、こちらで紹介記事を読むことができます。

http://www.sandiegoyuyu.com/content/view/404/34/

仲間入り!

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新しい楽器が仲間入りしました! 
新しい、といっても、古い楽器、ディーガン社のヴィンテージ・シロフォン(木琴)です。
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これまで、元サンディエゴ・シンフォニー首席ティンパニストでシロフォニストの佐々木達夫さんが使っておられたもの。
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この楽器は、佐々木さんがジュリアード音楽院に留学しておられた時代に、平岡養一さんのお宅で何度かレッスンを受けられ、その際、平岡さんが佐々木さんのために選んで購入されたという、平岡さんと同モデルの楽器です。 
どんなご縁があって?! 
それは、また追って。 

どのケースにどのパーツがはいっているか、しっかり確かめ、
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ここのネジがアブナイ...と黄瀬さんの顔を思い浮かべながら(笑)
ひとりでコツコツ組み立てました。 

これで所有楽器はシロフォン2台、マリンバ4台になりました。1台は仕事用に分解したまま1階に。5才の時に買ってもらった小ぶりのマリンバは、知人の家に居候させてもらっています。 

ふうぅ。なんとかおさまりました。
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撮影

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今日は、平野さんの撮影。 
昨年の11月にオープンした「写真とプリント社」。土佐堀川に面する、現像所と自然光のスタジオそしてオフィスが一体化した、素敵なスペースにお邪魔しました。 http://www.flat-field.net/
このところ、メテユンデなどディレクション側で撮影を見ることが続いたので、平野さんのカメラにおさまるのは久しぶり。平野さんのご主人である編集・ディレクターの松川さんもサポートしてくださり、楽しい時間となりました。 
私がどんな風に写ったかは、そのうちどこかのチラシでご紹介することにするとして、今日は私が撮った写真を。(笑)

「松川夫妻」
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「ただいま撮影中」
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「あっ、ボート」
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「平野愛、明日から7ヶ月」 
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プロフィール写真

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少し前、毎日新聞のコラムに下のような文章を書いた。 
で、明日は写真家平野愛さんの新しいスタジオにお邪魔して、プロフィール写真を撮ってもらう。 
それにしても、マレットと洋服を持って出かけるのに、演奏しなくていいというのは、なんと気楽なんでしょう。 

「写真と実物」 
プロフィール写真は折を見て新しいものに替えることにしている。今使っているのは、使い始めて2年くらいだけれど、ちょっと写真の方が若く思えてきたので、そろそろ替え時かもしれない。
あまりこまめに替えすぎると顔と名前が定着しないし、かといってずっと同じ物を使っていると写真と実物が一致しなくなる。なかなかむずかしいものだ。  
もちろん顔で演奏するわけではないが、顔を見れば、なんとなくその人柄や考え方は想像できる。そう考えれば、音楽に対する姿勢にきちんとそぐった写真が必要だろう。  
プロフィール写真は、演奏家によって撮影スタイルが実に様々。すまし顔か笑顔か、ステージ衣装か普段着か、撮影はスタジオか日常か。それらで随分「演奏家としての印象」が変わる。  
もちろん素敵に写っているにこしたことはないが「こんなステキな人の演奏を聴いてみたい」と思ってコンサートに足を運んでもらい「実際はそれほどでなかった」と思われるのは、ツライ。だから過剰な「美化」は禁物。かといって、印象の悪い写真では足を運んでもらえないだろう。このあたりを真剣に考え出せば、写真家にとっても、かなりハードルの高い仕事となる。  
ところでうちの両親は、私の知り合いの写真家に頼んで「葬儀用写真」を用意している。こちらの場合、ちょっと古くなってきたかな、というのはうれしい長寿の証となる。

東京にて

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NHKの収録、終わりました。
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どうだったか?
フィギュア・スケートに例えるならば、軽やかなステップのところで、ちょっと流れてしまったり、ですね。最後のスピンと決めのポーズの間が乱れてしまったりですとか...勢い余って回転しすぎ?! 曲によっては、まぁ、そういうこともありましたが、ジャンプのあと派手にしりもち、ということもなく、気持ちよく弾きました。 
3月21日の放送、ライヴ感覚でお聴きいただければ幸いです。

今日は、ヒラサ・オフィスへ。 
ヒラサ・オフィスの事務所は、成城の閑静な住宅街
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のマンションの一室にあります。 
「仕事をする人々の図(ヒラサ・オフィス編)」 
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今日は、平佐さんの奥さまがお手製のランチを用意して待っていてくださいました。 
正確に言えば...「私も、平佐さんと一緒の、奥さんのおべんとうがいい!」とリクエストしたのですが(笑) 
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サンドウィッチの具はバランスよく、ゴージャスで、本格的に、美味しかったです!サンドウィッチを食べて、がんばろっ、という気分になりました。
 
メインの用事はランチ?!いえいえ、いろいろ打ち合わせなどして帰りました。

昨夏にもこのブログにお問い合わせいただきました「木琴作りワークショップ」。今年は、7月31日、8月1日と2日間、調布市グリーンホールで行います。もちろん、岩野さんのチームにも来ていただきますので、工作部分も充実です。調布市近辺小学生(3年生以上)のみなさん、夏休みの宿題はおまかせください! 
1日のワークショップ終了後、マリンバトリオのコンサートもあります。

NHK-FM「名曲リサイタル」公開収録

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出演情報

2月19日(木)18時15分収録開始

NHK-FM「名曲リサイタル」公開収録NHK (東京・渋谷)509スタジオ

入浴剤

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先日紹介した入浴剤「ぽっかぽっか」。 
小川生薬さんのHPを教えていただきましたので、記しておきます! 
身体によさそうなお茶もたくさんあります。


田口ランディ『パピヨン』

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ランディさん。
青土社『聖なる母と透明な僕』もきれいな本でしたが、 
新刊『パピヨン』もいい手触りの本です。 
真っ黒にパピヨンの文字がキラリ、でカヴァーをとればきれいなピンク。

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本の宣伝のための動画は新しい試みなのだとか。 角川学芸出版が製作した動画がYouTubeで見られます。



21_21「うつわ」

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夕方から東京でリハだったので、早めに出て観ておきたかった展覧会へ。 会期が長いと、油断して見そびれることがあるので、早めに。 
21_21の「うつわ」展。
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エルンスト・ガンペールの作品が美しかった。 
会場内で流れていた、彼の仕事、倒木を切り出すところから器をつくるところまでの作業がおさめられたフィルム、も見ました。繊細なだけでも、大胆なだけもでないものに、惹かれます。 
ルーシー・リィーとジェニファー・リーの作品もよかったけれど、展示の仕方が凝っていて、お金がかかってそうだけど...
私は「フツウに見たかったんですけど...」と思いました。
会場構成、安藤忠雄、だそうですけど...。 

その他、昨日キレイだなあ、と思ったもの。 
新幹線の車窓から、富士山。
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東京ミッドタウンの芝生にうつった木のシルエット。
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そして、青空。
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座右の銘

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来週、NHKの収録はこんなプログラムです。 
各パートの間にトークが入ります。 

「A」 
J.S.バッハ  無伴奏チェロ組曲第3番より「ブーレ」
      (マリンバ+ジャンベ版)  
J.S.バッハ 林光編曲     2声のインベンション No.1 No.14  
イギリス民謡 野田雅巳編曲  ロンドン・ブリッジ・ロンド 
タンザニアの子どものうた 港大尋編曲  
               サンデイ・マンデイ・チューズデイ 
港大尋  そんなアマリリス  

「B」 
G.F.ヘンデル ソナタヘ長調 作品1の11(HWV369)
(原曲:ブロックフレーテと通奏低音のためのソナタ) 

「C」 
アストル・ピアソラ  港大尋編   悪魔のタンゴ  
アストル・ピアソラ  港大尋編   オブリビオン  
アストル・ピアソラ  野田雅巳編  天使の死   


それで、当日お客さんに配るプログラム用に、「一言メッセージとサイン」を直筆で書いて出すようにと言われています。 メッセージは好きな言葉や座右の銘などなんでもいい、とあるのですが、よく考えると好きな言葉や座右の銘って、あまり考えたことがありません。 
最近ちょっと食べ過ぎなので「腹八分目」には気をつけていますが
「腹八分目 通崎睦美」と書くわけにもいかないし(笑)。
困っています。

ぽっかぽっか

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自宅療養中のトモダチは「お風呂が幸せ」らしく、
それならばと小川生薬の「ぽっかぽっか」
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を使ってみてもらいました。 
この入浴剤は「ウイキョウ・カンゾウ・コウブシ・センキュウ・チンピ・トウキ・ハッカ・ボウイ・カミツレ」と9種の生薬のみで作られており、香料や着色料は一切使われていません。
やさしい漢方の匂いがほのかにします。 
たいていの入浴剤で、かぶれてひどい目に遭う私でも大丈夫。身体の芯から温まります。 

で、彼女には、これがめちゃくちゃ、効くらしい。
これまで冷たかった手足も「ぽっかぽっか」! 
よかったよかった! 

冷え性の方、お風呂好きの方は、是非試してみてください。 
amazonでも購入できます。
(小さい「っ」がない、「ぽっかぽか」で登録されているようです。)

御所

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朝から京都市社会教育委員の会議でパレスサイドホテルへ。 
せっかくなので御所を抜ける。 
梅がちらほら。 
白。
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紅。
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「特等席でおにぎりを食べるご婦人方」の図。 
うらやましいけど、急いで帰る。
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若手・中堅・ベテラン・巨匠

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週末は、「sowaka」 で開催中の展覧会「ARTIST RECOMENDED ARTIST」のシリーズ、中村友香/中塚弘の展覧会を観に行きました。http://www.sowaka.co.jp/
これは、タイトルの通り、アーティスト(この製作所でもお馴染みの、岩野さん、室田さん、谷本さん)に推薦された、若手アーティストによる展覧会。2月15日までの「1」では岩野さん御推薦、お二人の作品が展示されています。 

中村さんは、徳島の木琴作りワークショップでお手伝いに来てくださったこともあり、顔なじみ。
作品の前で「はい、写真写すよ〜」というと、ピースサインで応えてくれました。
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これは作品の一部、是非会場で全体をご覧ください。さわれます。 鉄の溶接による作品ですが、その手法の男っぽいイメージに反して、作品には「いいお母ちゃん」になりそうな女らしさがありました。 

初めて会う中塚くん。
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熱心に作品を解説をしてくれました。 
丁寧な仕事ぶりが好印象。
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「書くのが楽しい」という雰囲気が伝わってくる、これらの原画(スケッチというのかな?)も素敵でした。

ところで、一番右の絵「源氏香みたいね」と言うと、二人には通じませんでした。(笑) 
お二人の次なる展開を楽しみにしたいと思います。 

続けて、もう中堅組、ギャラリー中井で「かのうたかお陶展」。そしてギャラリーにしかわでは、ベテランの域、染織家八幡はるみさん、モスリン・シャツの新作展をみました。いずれも15日まで開催中。

ちょうど翌日、父がとあるところで見つけてきたとうれしそうに出してきたのは、藤平伸(1922-)の茶碗。なんともいえない味があります。おいくつの頃の作品かわからないけれど、こちらは巨匠ですね。軽やかです。
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続けていろいろな年代の作家さんの作品をみて、この間読んだ猪熊弦一郎の本の一節を思い出しました。「私は、芸術家は死ぬのなら二十代までに仕事をし終えて死ぬのがいいと思う。それに死に遅れてしまえば、これは九十までも百までも努力して生き続け、うまずたゆまず仕事をする以外にないという気がしている。」 

『ソデカガミ』救出作戦「おまけ」まとめ

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『ソデカガミ』おまけの話し、思いがけず長くなってしまいました。 
その間に、感想などお寄せくださった皆様、ありがとうございます。 
プレゼント用にご購入くださった方にとっては「おまけ」もプレゼントするか、自分のものにするかは、やはり大きな問題だったようです。 また「おまけ目当てだと思われるかと思いamazonで購入したけど、おまけを見て、しまった!と思った」という方も数名おられました。(笑) 
五色豆については、「子どもの頃きらいだった五色豆をいとおしく感じた」とか「20粒食べた後、2日間我慢したが、どうしても食べたくなりお取り寄せした」といううれしいメッセージもいただきました。
それからPHP研究所の担当者氏からも丁寧なお便りが届いたこと、ご報告させていただきたいと思います。 

救出作戦に関する項目は、これでホントに終わりです! 
救出隊員となって本を救ってくださった方、それから「おまけ」製作・発送にご協力くださった皆さん、ありがとうございました。 

で、最後に、ひとつ、告白いたします。 
この本は焼却処分じゃなかったです! 
裁断処分でした...古紙回収、です。在庫処分にかわりはないのですが、方法が違いました。
本の流通の問題としてよくとりあげられる「断裁」については知っていたのですが、あらためて「しょうきゃく」と言われ、それがPHPのやり方かと思っていました。もちろん、確認したつもりでしたが、お互いの思いこみとそれが電話のみだったことで、すれ違いが生じました。
「なぁんだ、そうなの。焼くんじゃなくて、切り刻むだけとわかっていれば、救出しなかったわ」とおっしゃる方がおられないことを祈りつつ、お詫びして訂正いたします。

最後に、もう一度、ありがとうございました!
ソデカガミの箱の中には、こんな説明書のようなものが入っています。
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実は、箱に紙を貼る際、ズレが生じるかもという話しを聞いたとき、谷本さんは2ミリくらいずれてしまっても支障のないコレを箱のデザインにしようと思っておられたのでした。でも、やっぱり「本の表紙がそのまま箱のふた」という案は捨てがたく、調整してアレが完成したのでした。でも、この「通崎好みマーク」は、ここに生きていました。中面は、ソデカガミの78.79ページ「あられと豆菓子」と題した文章を入れ込もうかということだったのですが、あまりにも小さく見づらいので、適切なところを抜粋してくださいました。
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裏面には、品質表示にあたるような事項が記載されています。
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当初、私から送った原稿は「コンセプト/デザイン 谷本天志」と仮に記載していました。でも、そう書くと、私の名前のいれようがなく、プロデュースはおおげさだし、実際やった仕事といえば「おつかい」程度。「どうしましょう」と書き添えておくと「製作 通崎睦美 谷本天志」と、うまく書いてプリントしておいてくださいました。
「製作」と言ってしまえば、なんでもない言葉ですが「谷本さん=デザイン」と考えてしまうと、次につながらなかったのでした。こういうところで、アタマの差がでます。あらためて、「世の中、デザインやおつかいを含めて「製作」というんだな」なんて思いました。(笑)
ちなみに、ここに書けばよかったのですが、後から確認したところ、五色豆の賞味期限は約一ヶ月だそうです。

谷本さんが、全てセットして届けてくださったのが、これ。
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ここから「おまけ3」で紹介した作業がはじまったのでした。

「おまけのできるまで」はこれで終わりです。

ところで、『ソデカガミ』をご存じない方には「どうして五色豆?」という疑問が残ることでしょう。

ソデカガミには、こんなページがあるのです。
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そして、このページの撮影場所は「本家船はしや」さんのお店先をお借りして撮影したもの、でした!

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おまけが完成するまでには、いろいろとやることがあります。
次は、箱につめるための小袋を調達。これは、すんなり、ちょうどいいサイズが見つかりました。
omake_fukuro.jpgここからの大きな問題は、五色豆を、誰がいつ、どう詰めるのか、です。
お店に袋を渡して詰めていただければ、それが一番有り難いのですが、20粒ずつ、それも各色、数の決まりがあるとなれば、お店の方も、通常とは違いすぎるので、むずかしいでしょう。
しかし、どちらにしても購入せねばならないので、とりあえずは買ったばかりの袋を持って「本家船はしや」さんに行ってみました。

「先日、ちらっとお尋ねした五色豆の件なんですけれど、この袋に詰めることが決まりました」と切り出してみたら、やはりお店のお兄さん「えっ....ウチで....詰める..ん.ですか....」と凍り付いてしまいました。で、私は「いいえ。私が詰めます! とにかく五色豆をわけていただけますか」と笑顔で答えてしまいました...
お兄さんはほっとした様子で「何グラム、しましょう?」とおっしゃったのですが、今度は私が凍り付きました。
「うっ、何グラム?!」ここで、また苦手なかけ算です。「つぶ単位でもいいですか」と言うとまたお兄さんが凍り付く。(笑)でも、メモ帳を出す私を見て、親切に計算用のボールペンを差し出してくださいました。小学生レヴェルのかけ算ですが、間違わぬよう何度か検算して、粒の数を伝え、翌日引き取りに来る約束をしました。家にもどって、泣き言をメールすると、谷本さんが「人手がいるなら大学で作業します」と連絡をくださいました。いやぁ、ほんとに神様に思えました。でも、正確に言うと、神様に思えたのは、もう少し後です。この時は、ほんとにがんばればなんとなかなると考えていて、この作業の大変さに気づいていなかったのです。谷本さんに「車で五色豆を引き取りにいきます」と言われてもまだ気づいていなかったです。
どこで気づいたかというと、先に支払いをすませようと船はしやさんに行って「五色豆、全部で10キロになりました」と言われた時でした。これを、自転車で持って帰るのは無理でした。袋詰めも人海戦術が必要でした。

船はし屋さんも、一気に大量購入はそんなにないらしく、「白」についてはできたてほやほやのものをまわしてくださったようです。なので、「白」の砂糖は少しやわらかかったと思います。

そんなわけで、五色豆の引き取りから袋詰めは谷本さんにお世話になりました。衛生に気をつけ手袋着用。大阪成蹊大学芸術学部の左から、マルコ、ヒメイ、ボブのお三方。本当にご苦労様、ありがとうございました。
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と、終了するのは、まだ早い。
今度は、谷本さんが引き取りにいってくださる前に箱屋さんに走って、仕上がりを確認してお支払いしなければなりません。
箱も、もちろんばっちり仕上がっていました。
omake_hokoagari.jpgいろいろ他にも出来上がった箱が積み上げられていたのですが、この箱の包みには、見えるかな?「ソデカガミ」と書かれていて、なんだかうれしくなりました。
神谷さん、紙もこちらで支給したということで、予定よりも1つにつき、なんと10円、おまけしてくださいました。
ここの10円は大きいです!ありがとうございました。

いよいよ最終章。(つづく)

いってらっしゃい!

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『ソデカガミ』の表紙でも着用している帯が、2月14日から始まる岡崎市美術博物館での展覧会で展示されます。
この帯にどんな由来があるかは『天使突抜一丁目』に書いています。古い着物や帯でおもしろいデザインは山ほどあるのですが、デザインした人の名前がわかっているのは、実はほとんどないのです。
そんなわけで、貴重な資料なのだそうです。

今日、美術博物館の学芸員の方が帯を借りに来られることになっていました。私はなんとなく一人でこられるイメージだったのですが、よく考えればそりゃそうですよね。大きなトラックで、ヤマトの美術運送専門の方が2名一緒に来られました。

学芸員の浦野さん。
まずは、帯の状態を細かくチェック。
b_obi_tenken.jpgそりゃそうですよね。「現状のまま借りて返す」が基本ですから、最初から汚れているところやスレのあるところを細かくチェックせねばなりません。
目に付いたところを、書き込んでいかれます。
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チェックが終わったら、ヤマトのお兄さんが寸法ぴったりの箱を用意され、ふかふかの綿を敷いてその上にたとうに入れた帯をおさめられました。帯の上からも動かぬように綿を詰めて
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梱包完了です。
そして、預証書をいただき終了。
学芸員の方が来られるということで、この時代にまつわる着物をお見せしたり、盛り上がれるかな〜と思っていたのですが、そりゃそうですよね...展示物を順番に借りて回られるのだからのんびり遊んでいる時間はありません。
今日は、その時になって「そりゃそうだわ」と思うことの連続、でした。
まぁ、私の場合、よくあることなのですが...

「確かにお預かりします」の図。
b_obi_azukari.jpg「いってらっしゃい!」の図。
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それにしても、この帯、うちで、こんな大切に扱ってもらったことはないので、さぞかし緊張していることと思います。お近くの方、またお近くに行かれた方は、是非どうしているか、会いに行ってやってください。
b_okazaki.jpgおっと、うっかり、ご案内しそびれるところでした。
岐阜県現代陶芸美術館では、山崎暢子さんの作品も展示されている「タイル きのう・きょう・あした」展が開催中です!
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早速、五色豆の「本家船はしや」さんへ行きました。

豆はグラムでも買うことができます。

mame_a.jpgそうでした。最初は、まだ本型のケースとは決まってなくて、とにかく小さな箱に入れて、ということだったでした。それで、お店で扱っておられる箱をリサーチして、とりあえずサンプル用にと200グラム購入して帰ったのでした。
mame_b.jpgmame_c.jpg家に帰って、ちょうどあった干菓子の箱に入れてみて、谷本さんにメールで送ると、「本のカタチがいいかなと思って何か探しているんですけど、なかなかよさそうなのがないですね」と。

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そうなると次は箱。


箱を誂えるため、箱屋さん探しからスタート。

京都には、これだけお菓子やさんがあるのだから、小回りがきいて、きれいな仕事をされる箱屋さんがあるはず。と、知り合いをたどって「神谷紙器工業所」へ。偶然自転車で5分ほどのところだったので、電話をしてすぐにお邪魔しました。大通りにさりげなくあるので、一度通り越してしまいました。

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気のよさそうな奥さまとご主人が話しをきいてくださり「あと一週間早かったら断っていました。バレンタイン用商品の納品で忙しかったので...」といいながら快くお引き受けくださいました。図らずも絶妙のタイミングだったようです。「おまけ2」に出てくる写真が神谷さんのご主人です!


箱のサイズは、本とほぼ同比率の縦9、横6.5センチ。高さは、豆の「身長」を測り、メール便の制限内でおさまる内寸1.7センチ。

カタチは、身とフタが分かれているのではなく、ページをめくるようにふたが開くカタチにしたかったのですが、ご主人から1.7センチだと紐でとめる仕様にしないとすぐにフタが開く、また意外につぶれやすい、とのご指摘をいただき、身とフタ別々になる今のカタチに決定。

詳細を打ち合わせ、箱の土台作りをスタートしてもらうと同時に、谷本さんはデザイン→印刷手配。

実は、谷本さんが直接箱屋さんと打ち合わせてくださる中で、出来上がった印刷物を箱に貼る段階で2ミリずれる可能性のあることが判明。そんなこともあり、デザインを迷われたようですが、ずれてもよいようなデザイン上の工夫と、余分に発注して検品することにして、ほんとに「本みたいな箱」実現に向けて動き出しました。

 箱のサイズが決まれば、豆を入れる数と色の配分。

白を10、他の色を2ずつ。

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あるいは白を6,他の色を3ずつ。

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どちらがいいですか、と谷本さんにお尋ね。
「ちょっとさみしいですね。あと2つぶ増やせませんか」ということで、白8,他の色3つずつに決定しました。

ワタシは袋に入れたときの余裕を考えていたつもりでしたが、出来上がりをみると、ここで2つぶ増やしたのは大正解でした。
(先日、定期的に通っている針治療の先生が身体を触って「この一週間、砂糖を食べ過ぎていませんか」とおっしゃったのですが、ワタシ、こういう作業をしながら、袋から出した五色豆をぽりぽり食べていたのでした...)

次は、いよいよ五色豆の調達です。(つづく)





今日は初午

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今日は、初午。 
いい天気
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だったので、運動を兼ねて伏見稲荷にお詣りして稲荷山にのぼろうかと思っていたのですが、 楽器メンテナンスの予定がはいったりで、断念。
家で、いなりずし
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を食べました。

お昼ご飯。

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いつも通る道に、おもしろいものをみつけました。
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アロエの花。
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以前、メテユンデで「アロエの花の柄のゆかたを作ろう」ということになって、スケッチしてもらうためにアロエを大探ししたことを思い出しました。
結局、その柄は企画倒れ、となったのですが。 
さて、おもしろいものは、アロエの花ではなくて、アロエに付いていた札。
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「予約済」って、ご近所の方への株分けでしょうか。もちろん「自家用」の札もありました(笑) 

さて昨日、京都へ来られたお客さんとお昼ご飯。 
京都の町中には、町屋を使ったレストランがたくさんありますが、意外と東京資本のところや妙に「おばんざい」をうたった観光客用のところが多いのです。イタリアンやフレンチだとそれなりにいろいろあるのですが、和食で「料理屋さんではなく、町屋で京都の気軽な昼ご飯」というリクエストをされると意外にむずかしいものです。 そこで、京都文化博物館からすぐの「光泉洞寿み」。
sumi.jpg
 
ここは、場所柄、全く観光客を意識していないわけではありませんが、明治の町屋で「ちゃんと作ったふつうのゴハン」を食べさせてくれるのでオススメです。日替わり定食900円は、お腹いっぱいになります。
HPで日替わりメニューを確認できるのも、うれしいです。 

このところ、『ソデカガミ』関連が続くのでたまには京都情報。

谷本さんと一緒に進めた仕事が新しい局面をむかえる時には、まずは谷本さんに連絡して意見をうかがうのですが、今回の救出作戦は、思いついたら、もう進めていました。

実は、おまけも手作りで何とかなるかと考えて。

しかし、日が経つにつれ注文の数が増え、手作りは無理と判断して、谷本さんに「救援」をお願いしました。やっぱり、最後はここにたどり着きます。

そもそも、今回は、いったん私が購入してみなさんに販売するというシステム。出版社から在庫処分に関しての特別割引はないけれど、手数料程度の「著者割引」があります。でも今回の場合、救出ということでご協力いただくのに、私が「手数料」を「儲け」にしたのでは、申し訳ない。ほんの数百円のことですが、これを「おまけ」の製作費にあてようと考えました。

はじめは、ポストカードなんかどうかな、と思っていました。実は、メール便で申し込んでいただいている方も多かったので、厚みが2センチを超えると送れない、という制約があったのです。ソデカガミの中のワンシーンや、ソデカガミに載っていない銘仙の写真をハガキにするのも素敵かな、と。しかし、谷本さんからは「あまり嬉しくないのでは」と。が〜ん。

代替案として谷本さんから出た「リサイタル時のライブ録音一曲だけ、などのCDは?」というアイディアに、わたしは「う〜ん」。「じゃあ、表具屋さんに作ってもらう「しおり」は?」といえば、今度は谷本さんが「う〜ん」。そのまま、日が経ちました。

人の出すアイディアに「ノー」とばかり言う人は山のようにいますが、これまでの経験で、谷本さんは「ノー」と言ったからには、必ずそれよりぐーんといいアイディアを出してくださるのです。

なので、ここはじっと待つ。

そうこうするうち、もう間に合わないというタイミングになり、谷本さんに電話してみると「五色豆」というアイディアが出てきました。

待ってました!です。それも、箱は、本のカタチ。

さぁ、ここからいよいよおまけ製作の本格的スタートです。

期限はあと約1週間。(つづく)

『ソデカガミ』救出作戦 おまけ5

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ソデカガミのおまけが気になるみなさんへ、おまけを発表いたします。
sode_omake_a_.jpg
あれっ?でしょ。
sode_omake_b.jpg
はい、あれっ?!なんです。 
ソデカガミの格好をした小さな箱なんです。 
中味をお見せしましょう。 
ちらっ。
sode_omake_c.jpg
説明書の下に入っているのは???
sode_omake_d.jpg
はい。
五色豆です! 

なぜ五色豆か?は、ソデカガミをお持ちの方は「そうきたか!」というところでしょう。

それにしても、谷本さんに「本と同じ比率で、縦は9センチくらいかな」と言われ、算数が苦手な私はそれだけで、緊張しました。
「21:15=9:X」こんな計算、普段しないので。
はりきって「横は6.428センチでいいでしょうか」と 言うと「6.5センチでいいです」と言われました。(笑) 

製作秘話は、追って紹介します。

あっ、谷本さんより。
トランプ入れにも使えます。
sode_omake_card.jpg
どうやら、これが発想のもとになったようですね。

あっ、もひとつ。 
今日は節分ですが、五色豆はまかずに食べていただければ幸いです。

新しい名刺

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今日、新しいデザインの名刺が届きました。 
随分前に名刺をきらしていて、これを機会に「肩書きのない名刺」を作ろうと思い、ずっとそのままになっていたのでした。 
西岡勉さんデザインの名刺です。贅沢、です!
かちっとした字の組みと、少し「手触り」がある紙質、そのやわらかさが相まって、いかつくなくやわらかすぎず、の仕上がりです。
meishi.jpg

『ソデカガミ』救出作戦 おまけ4

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『ソデカガミ』が届きました!とたくさんのメールをいただいています。 ありがとうございます。 
おまけも喜んでいただけたようで、うれしいです。
おまけに関する「喜びの声」は谷本隊長にも転送しております! 

何人かの方が「おまけが一冊につき、一個だとは思っていなかった」と書いてくださってました。 「グリコのおまけ」も一個につき一個ですから、『ソデカガミ』のおまけも、もちろん一冊につき一個、です。 
宅急便発送でお申し込みくださった方、関西圏メール便の方はすでに受け取っていただいていると思いますが、遠方のメール便の方は、まだかと思います。明日には到着するでしょう。しばらくお待ちください。 
おまけが気になる方もおられると思いますので、皆さんに到着した頃を見計らって、おまけ製作現場もあわせて、写真でご紹介したいと思います。
通崎好み製作所からメールまたは郵便で楽しいお知らせをお送りします。ご希望の方はこちらからお申し込み下さい。

2009年9月

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筆記者

通崎睦美
製作所スタッフ
谷本天志(tanimoto)
戸矢崎満雄(toyazaki)
山崎暢子(yamazaki)
近藤あかね(kondo)

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