瀬戸内寂聴「ノーベル賞のこと」
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日経新聞に連載を書くようになって、同じような文字数のコラムやエッセイが妙に気になります(笑)地元、京都新聞には平日夕刊に「現代のことば」、日曜朝刊には「天眼」というコーナーがあって、これはなかなかハズレがない。
今日瀬戸内寂聴さんがお書きになっていた「ノーベル賞のこと」も面白かった。
川端康成ノーベル賞発表の朝、同じアパートを仕事場にしていた円地文子さんに「こういう時、吾々はすぐにお祝いに駆けつけるのが礼儀です」と着替えを命ぜられ、二人で鎌倉の川端邸に駆けつけた。そこに三島由紀夫が現れた話。
この話は、後に三島由紀夫の弟さんに「ノーベル賞を兄が貰っていたら、兄も川端さんも死んではいなかったと思います」といわれたことがショックで忘れられない、と締めくくられています。話の端々、なんとなく知っているようなことではありますが、その場におられた瀬戸内さんがご自身を主体にお書きになると、やはりせまってくるものがあります。さすがでございます。
さてさて、日経新聞の連載も全22回、無事に折り返しました。まだ12回、もう12回?!という感じですが、まだ書く話題には困っていない!
いかに、自分の周りに面白い方がいらっしゃるか、ということでしょうか。父など、緊急入院してまで、ネタを提供してくれましたから(笑)登場してくださったみなさま、ありがとうございます!