音色の不思議
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今週は、月・火と、千葉在住のマリンバ奏者・亀井博子さんのお宅で、亀井さんご自身、亀井さんの生徒さん、その他プロのマリンバ/打楽器奏者の方々など、計9名のレッスンをしてきました。
亀井さんは、7年前、静岡での本番で、私の楽屋を訪ねて来てくれてからのお付き合い。YouTubeチャンネルにもファンが多く、かわいい妹、という感覚です。
https://www.youtube.com/@hirokokamei
初日は、90分の方、60分の方、10分の休憩をいれつつ、12時スタートで19時まで。しっかり働きました。
千葉みなと駅前のホテルに泊まり、翌日は早起きして朝の散歩からスタート。

その後、2日目は、9時半から17時まで。
最近は、6本バチを弾きこなす奏者も増えてきましたが、受講されたプロの皆さん、しっかりと基本を学ぶ目的でレッスンを受けてくださり、私にとっても充実した時間となりました。まあ、基本を学ぶというか、今回は「基本って何?」というところだったかもしれません。
小学生の男の子2人もとってもセンスがよくて、びっくり。亀井さんの普段のレッスンのたまものですね。自分の息づかいで一所懸命弾く、ということをお伝えしました。一所懸命を、言い換えると、小さな音も大きな音も心を込めて、ということかな。言葉では簡単ですが、これがなかなか難しい。将来、音楽の道に進む必要はないのですが、趣味として長く続けてくれたらなあと思いました。
2日目には、東京藝大卒の打楽器奏者・二ツ木千由紀さん(左)が聴講に来られて、非常にやりづらかったですが(笑)最後は参加もしてもらって、楽しい時間となりました。
二ツ木さんは、私より3学年下なので、学生時代がかぶっています。
私が4年生の時の「四芸祭」(四つの国公立芸大が集まって開催する学園祭)。東京からやってきた恐ろしく鍵盤打楽器の上手い小柄な一年生、それが二ツ木さんでした。「やっぱり東京藝大の学生は違うなあ」と、ため息をつきながら聴いた印象があるもので…(笑)

右端は、千葉交響楽団の打楽器奏者・齋藤綾乃さん。久しぶりに三善晃の組曲『会話』を聴いた/弾いたけれど、これは、やはり名曲ですね。マリンバにおける現代音楽は1960年代に始まり、ある意味1960年代に完成されているようにも思いました。
それから。
以前、うちにレッスンの問い合わせをしてこられた関東在住のご婦人を、亀井さんに紹介したのですが、こちらの方のマリンバも聴かせてもらえて、とても幸せな気分になりました。
『マリンバ練習帖』、2巡目とのこと。80歳とは思えません。デュオで弾けて光栄でした。

少女時代の写真も見せてくださいました。(前の女の子)

偶然にも、うちの生徒の桐田さんと同じ小学校(岐阜)だったようでご縁を感じます。
こちらは桐田さんの写真。

こんなに盛んだったんです。まさに木琴デイズ!

子どもの頃にやっていた習い事を、オトナになって、もう一度始めるというのはいいものですね。
そういう点でいけば、私の場合フィギュア・スケートなんですが、ちらっと考えつつも躊躇しているうちに今年もシーズンが終わってしまいました。
で、この1週間の大イベントとしては、ピアニスト、アンドラーシュ・シフのリサイタル(いずみホール)。シフさまのリサイタルを聴くのは、5回目かな。いつもアンコールだけで1時間!
今回も20分の休憩を挟んで3時間。プログラムは、当日発表。ステージで紙を見ながら日本語で曲目紹介してくださる様子が微笑ましく、そのサービス精神は演奏にもつながるものだと思いました。
鮮やかで立体的な多声部の弾きわけ(例えば、バッハ『フランス組曲 第5番』のジーグなど)は、いつも惚れ惚れするものですが、今回はそれはもとより、柔らな音にしびれました。テンペストの第3楽章など「ラファミレ〜」だけで、不覚にも涙がこぼれそうに。アンコールのシューマン『楽しき農夫』の、羽毛に触れるような柔らかなスタッカートにも、心を掴まれました。
今回は、シフさまの斜め後ろから指がよく見える位置に陣取ったのですが、加えて、前の席のお嬢ちゃんが、開演早々沈没しちゃったため、本当に特等席でした。もちろん、ピアニストが見ると色々秘密がわかるのかもしれませんが、木琴奏者としては、あの素晴らしい音色は、指云々じゃなくて、シフの身体から湧き出ているものである、と理解しました。

マリンバは、マレットをかえることができるので、それで音色の変化に満足をしている人が多い。また響きのある音、残響の長い音がよい音、と勘違いしている人も多く見られます。シフのように、音楽の中で変化が生まれることが理想ですね。
以前、アマチュアの生徒さんに「目指すのは、シフです!」と言うと「えっ?ツウザキ先生じゃなくて、シフですか?!」と言われましたが、そうです。生徒の皆さん、シフを目指して頑張りましょう。













