『花森安治装釘集成』
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最近は、美術館の図録でも「ちぇっ」と思うことがよくありますが(口が悪くてスミマセン)….
久しぶりにきれいだなあ、楽しいなあ、と思う本に出会いました。
『花森安治装釘集成』唐澤平吉・南陀楼綾繁・林哲夫編(みずのわ出版)
真っ白な表紙です。きれいすぎて、私の写真の腕ではうまく写せません!
帯がつくとこんな感じ。文字が見えなくってスミマセン。
『暮らしの手帖』の初代編集長として名を知られる花森安治(1911-1978)の装釘作品集です。花森は「文章は言葉の建築だ。だから本はしっかり釘でとめなくてはならない」との思いから、「装幀」に「装釘」という字を使ったそうです。
花森自身「表紙が隠れるからオビがキライ」と言っていたようですが、これなら文句がないでしょう!
装幀の林哲夫さんに拍手!
「自著・自装本」「単行本」「雑誌」に分かれ、「花森のことば」もちりばめられています。
雑誌の項では、もちろん『暮らしの手帖』も。
ああ、このページもかわいいなあ。
あまり見せると楽しみがなくなるので、是非実物をご覧ください。花森装釘の図柄そのものの楽しさが2番手、3番手になるほどに、いろんな素敵さを秘めている本だと思います。
『花森安治装釘集成』は、現在開催中、装幀の林哲夫さんの個展「ヴァン・ゴッホの道 オーヴェール・シュル・オワーズ」でも手に取ることができます。ここで展示されているのは林さんの装幀作品ではなく、油彩、水彩、コラージュ作品など。神戸のギャラリー島田B1Fにて、12月21日まで。
定価8000円(税別)というのも、かっこいいです(笑)奥付には、印刷、製本所の名前はもとより、プリンティングディレクション、製版進行、制作管理の方までお名前が入っているので、そういうこと、です、ね!
少し前に手元に届いたのですが、開けるのがもったいなくてそのまま置いてました。そろそろぱらぱらとページをめくりはじめたところ。
個人的には、この本が気になるなあ。